遺伝子組替え食品普及には人体実験が必要、日本生活協同組合連合会 1999年 [遺伝子技術]
1999年1月18日小針店で印刷・配布した「畑の便り」の再録
遺伝子組み替え食品・作物は未知数の危険性があり、厚生省の安全審査は不十分。だから販売するなら、きちんと表示をして食べる人が選択できるようにすべきだと虹屋は考えます。しかし同じく表示を求めるにしても、日本生活協同組合連合会(日生協)は理由が違います。
「遺伝子組み替え技術は将来重要な技術だから、表示を付けて遺伝子組替え食品と知りながら食経験し、人体実験を繰り返して社会的な受容を形成する事が必要。供給のモラルとしても何かあった場合、対応するために表示が必要」(農水省食品表示問題懇談会遺伝子組み換え食品部会での片桐常務理事の発言、98年12月17日)
現状の遺伝子組み替え食品・作物は微生物の殺虫毒素遺伝子や除草剤耐性遺伝子などを、自然交配が起こり得ないトウモロコシなどに、種の壁を壊して組み込んだものです。
菜種などに組み込まれた遺伝子が作る除草剤を効かなくする酵素タンパクや殺虫毒素などを私たちは、常食する食物から大量に摂ったことはありません。これらの長期間での影響(ガンやアレルギーんなど)次世代への影響などは調べられていません。未知数です。
また、組み替えがうまく行ったか調べるのに、現状では抗生物質耐性遺伝子を目印に使うやり方が主流です。この遺伝子の腸内での細菌への移行も懸念されています。赤痢菌などからベロ毒素の遺伝子が、大腸菌に移行し、病原性大腸菌O-157などが生まれました。遺伝子組み替え食品から、抗生物質耐性遺伝子が細菌に移行し、抗生物質の効かない細菌が食べた人で増える懸念です。
そして厚生省の安全審査は、遺伝子操作で新しい性質・形質(例えば殺虫毒素遺伝子で毒素産出)が加わっただけで、それ以外は何の影響も受けていない、変化していないという実質的同等性の考えで行なわれています。しかし、殺虫毒素遺伝子の組み替えトウモロコシでは、アミノ酸の組成が変わる、アレルギー症状をおこす体内物質の原料となるアミノ酸が増えるという実質の変化が起きています。審査はこの変化を不問にして、安全としています。審査が信頼できますか。また、なぜこのような変化が起きるのでしょうか。
つい先日、新潟県農業総合研究所がイモチ病抵抗性コシヒカリの育種に成功したと伝えられました。方法は遺伝子組み替えを使わず、まずイモチに強い品種とコシヒカリを交配し第一代目雑種をえます。その遺伝要素の半分は、イモチに強い品種のもの。欲しいのはイモチ病抵抗性だけ、他はコシヒカリ。そこで第一代目雑種をコシヒカリと交配。二代目の遺伝は四分の三はコシ、四分の一がイモチ耐性種。この、もどし交配を繰り返せば、コシの遺伝要素が増えます。各段階で目標に近いものを選択し、今回は六代目で成功したそうです。この伝統的なやり方なら実質的同等性があると言えます。
コメント 0