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なぜ、酢の物では細菌が繁殖しないのでしょうか? お酢-5 [手作り食品]

暑い時には酢の物が美味しいですが、酢の物では細菌が繁殖しないのでしょうか?
米酢は、先ずお米の糖類を酵母が嫌気的環境でアルコール発酵して、そのアルコールを酢酸菌が好気的環境で食べて酢酸にする2段発酵でつくられます。酢酸菌は、28属にわかれて416種があります。その中には糖から直接に酢酸を作ることもできる菌もいます。酢酸菌の表面は、外膜-細胞壁-細胞膜(内膜)の3層構造のグラム陰性菌。細胞壁と細胞膜(内膜)の間の空隙で様々な糖類やアルコールを酸化して、エネルギーを得て、酸化生成物の糖酸(酢酸などの有機酸)を菌体外に蓄積します。

酢酸など有機酸は菌体外の水分中ではイオンに解離、酢酸ならCH³COOHがCH³COO⁻とH⁺(水素イオ=陽子・プロトン)にわかれます。このCH³COO⁻などは細胞膜に吸着してしまい、細胞膜を通って細胞内に入れません。段々蓄積して、菌体外のH⁺(水素イオン)濃度が高まる=pHが下がると、非解離型の酢酸・CH³COOHが増えます。

 


この非解離型は、1秒間に1万分子以上が細胞膜を透過できます。細胞内は中性ですから、たちまち解離し水素イオン=陽子・プロトンができます。陽子ですから他の分子、酵素タンパクなどの電子を奪ったり、共有結合して分子に引っ付いて、不活性化します。それで、入られた微生物は死滅したり増殖できません。だから酢の物が腐り難い。この働きは、塩分があるとより効果的です。



 pH5以下の酸性域では酢酸の方が、pH6~7の中性域ではクエン酸の方が効果があります。


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