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何故、中国産の梅では鉛が多いのだろう。 基礎知識篇 [手作り食品]

何故、中国産の梅ではストロンチウムと鉛が多いのでしょうか。健康に影響を与える鉛で調べてみました。
仮説①中国の土壌での鉛の量が多い、仮説②中国の土壌汚染の影響。

「鉛は人為汚染を受けていない土壌の中に数mg/kgから数10mg/kg存在しています(所謂自然由来の鉛)。特に銅、鉛、亜鉛を含む金属鉱床には数%から数10%の濃度の鉛が濃縮しています。」(丸茂克美・産業技術総合研究所)

数mg/kgから数10mg/kgの幅がありますから、作物での量も幅がでてきます。




 






また、鉛を含む金属鉱床を掘り出し利用することでの汚染が生じます。



「汚染元素は、地球化学的に区分すると、大きくは『(化学的に銅と結びつきやすい)親銅元素群』と『親鉄元素群』とになる。したがってそれぞれの群の共存鉱物(元素) は製錬工程で分離されて、回収また廃棄される。主な共存元素には、親銅群では銅以外に、銀、亜鉛、カドミウム、水銀、ガリウム、インジウム、テリウム、鉛、ビスマス、アンチモン、ヒ素、テルル、セリウム、硫黄等が、また、親鉄群には鉄以外に、コバルト、ニッケル、イリジウム、白金、金、錫、タングステン、炭素等が含まれる」 



出典・・大阪大学リポート「中国の重金属汚染土壌の現状と今後の対策に向けて―日本の歴史的射程から得られた教訓と最新の技術開発の展望を踏まえて―」 阪大リポート

 

「鉱山では、主目的元素の富鉱を精選していく過程で廃鉱石が発生し、さらに精鉱にする段階で尾鉱(ずり、くず鉱、鉱滓、ぼた)が発生する。精鉱の段階で高付加価値の共存元素の評価を含めてカットオフ限界が決まり、それ以下の品位の鉱石は山元に残留することになる。この結果、① 廃鉱石や尾鉱の堆積場からの浸出水、② 廃坑からの浸出水、③ 豪雨、洪水等による廃鉱石や尾鉱堆積場の崩壊やダムの決壊等でそれらが大量に流出するという主として三つの問題が発生する。」



「地球化学的にみて金属鉱石には硫化物が多く、微量の鉄分が含まれることが多いので、好気条件下では鉱廃水は強度の酸性水になる。これが鉱毒水の原因であり、採掘中は当然、休廃鉱山になってもその管理は必要である」

 







日本では上の図にある鉛を採掘していた鉱山、神岡鉱山、豊羽鉱山、花岡鉱山、小坂鉱山など主要鉱石として鉛・亜鉛を採掘していた鉱山は、2006年に豊羽鉱山を最後に全て閉山しています。


現在、オーストラリア、ペルー、アメリカなど海外からの輸入しています。鉛鉱は小坂(秋田)、契島(広島)など、また亜鉛鉱は彦島(山口)、安中(群馬)、飯島(秋田)などの製錬所で精錬されてます。また一部はエム・エスジンク播磨事業所や八戸製錬所で鉛と亜鉛の同時製錬が行われています。




 



農耕地帯では「河川、湖沼からの農業用水や底泥利用による汚染がある。」また、鉛の微粒子が飛散する大気経由の汚染があります。粒径が0.55μm程度の鉛粒子は、64時間以上も空中を浮遊し、1,600km 以上も移動することが報告されています。

 

これは、鉱山や精錬所だけでなく鉛蓄電池製造工場などでおきます。





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