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中国産梅と日本産梅の見分け方 [手作り食品]

今日、梅干の梅は中国からの輸入が約3分の1です。梅は中国原産の作物ですが、食品の梅干は日本固有です。
「中国の梅の産地は加工した製品の大半を、台湾と日本に売っているのだとか。・・日本で売られている南高梅の梅干しの大半は、中国で塩漬けにされて日本で最終仕上げを行ない、高価な南高梅の梅干しとして販売されている、と、現地の方はニコニコ顔で話していた。」  月刊「味の味」2006年6月号【檀太郎の食べたい食べたい】51 「中国梅事情」




それが紀州産などと産地偽装されて販売されることがあります。その見分け方は、種の中から仁(天神様)を取り出し、ストロンチウムと鉛の量を測るのだそうです。



独立行政法人・農林水産消費安全技術センターの調査では、国産の梅ではストロンチウムは9.15ppm(1kgに9.15mg)以内、鉛は0.036ppm(1kgに0.036mg)以内。中国産はこれより概ね多いので、それで判別できるそうです。



和歌山県の南高梅での調査では、梅干作りの塩漬加工の前と後では、果肉の微量元素の濃度は使われた塩に含まれる微量元素の影響を受けて大きく変りますが、仁に含まれているストロンチウムの殆ど変化していません。仁での濃度差は加工前の原料生梅中の日本と中国産の違いを、忠実に反映していると見られます。 南高梅の梅干加工とミネラル及び有機酸含量の変化



中国から輸入される梅の品種は南高梅だそうですが、和歌山県の南高梅でみるとストロンチウムなどの微量元素は果肉には仁の濃度より濃く含まれています。ストロンチウムは8~13倍の濃度です。他の微量元素はもっと濃くなっていますから、鉛も仁に較べ果肉では少なくとも約10倍ほど濃いと考えられます。 参照  南高梅の梅干加工とミネラル及び有機酸含量の変化


鉛とストロンチウムの毒性

ストロンチウムというと東電核災害以降は放射性のストロンチウム90を思い浮かべますが、ここでのストロンチウムは放射線を出さない安定核のストロンチウムで、炭酸などとの化合物で土壌中に存在しているものです。植物性食物での摂取が多く、大半(95~75%)はそのまま体外へ排出されます。ストロンチウムは動物実験では高濃度、高摂取量のストロンチウムで骨の変形が認められていますが、人では中毒や欠乏症状は認められていません。 ストロンチウムの毒性

これに対し、鉛の毒性は昔からよく知られています。



「1980 年代の研究により、血中鉛濃度 10μg/dL 以上が知性や他の神経発達への有害影響に関連することが判明進行中の研究により、72か月未満の乳幼児には、10μg/dL未満でも有害事象が起こりうることが明らかになりつつある。」「成人においては、食事中の鉛の約 10%が吸収され、絶食状態のほうが吸収率が高い。幼児や小児では、塵埃/土壌や塗料片からの吸収率は生物学的利用能に依存して低いが、食事中の鉛は50%が吸収される。」 厚労省資料

μg/dL(マイクログラム・パー・デシリットル), 液体1dL(100ml・ミリリットル)中の物質の重さ(μg)ですから、血液1dLが約100gとすれば10μg/dLは0.1ppmです。血中鉛濃度 10μg/dLは、世界保健機関WHO による基準値です。日本の状況は、児童で3.15 ±1.50μg/dℓ(厚生労働省審議会2006 年6月資料)。



「中国の白梅。この梅は砂糖漬けにした後干してカラカラにする。よく、紹興酒等に入れる梅で、日本にも輸入されている。」2009年10月に、この乾燥梅から高濃度の鉛、2~30ppmがマレーシアで検出され販売規制されています。和歌山県の南高梅の果肉の水分量は92%前後ですから、白梅の乾燥梅が水分が10%前後なら約10倍に濃縮。鉛の濃度が仁で0.35ppm(農林水産消費安全技術センターの検出例)は果肉では約10倍で3.5ppmで、乾燥で約10倍に濃縮されると30ppm前後になって不思議ではありません。

何故、中国産の梅ではストロンチウムと鉛が多いのでしょうか。健康に影響を与える鉛で調べてみます。
仮説①中国の土壌での鉛の量が多い、仮説②中国の土壌汚染の影響。  続く

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