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病原菌の天敵療法 ファージセラピー(3) [農薬を減らす工夫]

水稲の病原細菌を殺すバクテリオファージ、石川県農総研が発見 農薬削減に期待
 日本農業新聞2009年3月15日

 石川県農業総合研究センター(金沢市)は、水稲のもみ枯細菌病と苗立枯細菌病の両方の病原菌を攻撃するバクテリオファージ(ウイルスの一種)を見つけた。実験段階では、化学農薬以上の発病抑制効果を見せた。同センターでは、水稲の種子消毒で化学農薬に代わる生物防除資材として期待している。
  バクテリオファージは、ウイルスが植物や動物に病気をもたらすように、細菌に感染して死滅させる。ファージは、それぞれの株が特定の細菌にしか感染せず″好き嫌い″が激しいのが一般的で、複数の病原菌を攻撃するファージは珍しいという。

  化学農薬を使わずに水稲育苗時の病気を防ごうと、同センターで有効なファージを探していた。県内の水田土壌やイネ科雑草の根などから採取したり、ほかの研究機関から譲り受けたりして、10種類ほどのファージを確保した。
  病気の抑制効果を実験室内で確認したところ、茨城県つくば市で見つけたファージー株と、同センター近くの水田で見つけたI株に、もみ枯細菌病と苗立枯細菌病の両方に効果のあることが分かった。 30度の温湯1ミリリットルにファージー1000万個ほどの割合で入れた液で種もみを催芽させる。実験では、化学農薬を使った方は少し病害が出たが、ファージ液で処理した方は全く病気が出ないものもあり、高い防除効果があることが分かった。

  苗立枯細菌病を攻撃するファージはこれまでもあったが、もみ枯細菌病に効果のあるファージは見つかっていなかったという。水稲の育苗時には、ほかにも褐条病が問題になっており、これも細菌が病原になる。同センターではこの病原菌にも効果のあるファージを探す。
  今回見つかったファージは、今年は野外で試験をする予定。実際の苗代を使って病気の防除効果を試す。同センターではさらに、1つの株で育苗時の3つの病気に効果のある「スーパーファージを見つけたい」としている。

ファージを用いたイネもみ枯細菌病、苗立枯細菌病の同時防除
https://www.pref.ishikawa.lg.jp/noken/noushi/kenkyu_happyou/20/documents/kaga03.pdf

バクテリオファージを用いた植物病診断・予防・防除システム
 
RS-1-2.jpg
 

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