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遺伝子組換えで本来の遺伝子の働きが妨げられた 名大が実験 2001年 [遺伝子技術]

2001年6月小針店で印刷・配布した「畑の便り」の再録

 名古屋大学で、イネに遺伝子組替えを行なったところ、イネがもともと作っていたタンパク質の合成量が変化するという実験結果が出ました。実験を行なった松田幹夫教授は「導入した遺伝子が、イネ本来の遺伝子の働きを妨げた可能性がある」と語っています。 

 これまでの遺伝子組替えが、殺虫毒素などを組み込んで消費者に悪い印象をもたれたという反省から、社会に受け入れられるだろうと消費者の健康志向にあった栄養強化・改善の遺伝子組替え作物をつくる研究が盛んに行なわれています。名大では大豆のタンパク質・フェチリンとトウモロコシのオペクトの遺伝子をイネに組み込みました。その組換えイネのタンパク質の2種類を調べたところ、通常の約五分の一の量になっていたのです。

  遺伝子組替え作物のもつ危険性の大部分は、組換え技術の未熟性にあります。外部から導入する遺伝子が、その作物・生物の遺伝情報全体のどこに入り込むのかコントロールできない。そのため作物全体に予見できない変化が起こる可能性、野生種から栽培種が育種される過程で休眠状態になった有害物質生成の遺伝子が活性化するとか、逆に通常の遺伝子の働きが妨げられるといった予見できない変化が起きる可能性があります。

 今回の名大の実験結果は、この可能性が現実のものになった例ですが、現在の安全性審査では作物全体に起こる予見できない変化は考慮されていません。審査の見直しが必要です。


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