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またまた遺伝子組替え食品が、食品衛生法違反で自主回収 2001年 [遺伝子技術]

2001年6月小針店で印刷・配布した「畑の便り」の再録

 先日、カルビーのスナック「ジャガリコ」、ブルボンの「ポテルカ」が、食品衛生法違反で自主回収されました。日本で安全審査を通っていない未承認の遺伝子組替え食品(輸入の冷凍じゃが芋)が使用されていたためです。5月のハウス食品に続いて2回目です。
 保健所から連絡が届いてからも、問題の品物をカルビーは出荷・販売していました。雪印の事件以来、食品メーカーは、製品の衛生管理、安全管理に注意していると思っていたのですが、食品衛生法違反が明確な製品を出荷しつづけるとは管理体制はどうなっていたのでしょうか。
 

 検出不可能なはずなのに

 なぜ食品衛生法違反が続くのでしょうか。遺伝子組替え食品の表示で、こうしたフライドポテトのスナック菓子は「組み換えたDNA及びこれによって生じたタンパク質が加工工程で除去・分解されることにより、食品中に存在していないもの」に分類され、表示義務が免除されています。(任意で表示はOK)つまり組換え遺伝子やそれから生成するタンパク質が無いのだから、仮に遺伝子組換え食品を原料に使っても、検査でわからない。検出できない。仮に遺伝子組替え使用の表示を義務付けても、違反を発見できない。違反を見つけられない規制は無意味であるという理由から、表示は不要とされています。

 国の言う通りなら見つかるはずのないものが検出されたのですから、ビックリです。民間の分析会社ジェネテック社によれば、加熱などの加工で遺伝子が変性し、正常な遺伝子が減少している場合は、どれ位の割合で含まれていたか5%か10%といった分析まではできませんが、有無、問題の組換え食品・作物が入っていたかどうかは検出限界0.01%程度まで調べられるそうです。分析技術はどうであれ国の「組み換えたDNA及びこれによって生じた殺虫タンパク質などは、食品中に存在していない」というのは嘘だったわけです。

 米国の分別・区分流通は信頼できるか

 ポテトチップスという製品になってしまえば、判らないとされているのですから、原料段階での管理・チェックがおろそかにされていたのではないでしょうか。カルビーもブルボンも、輸入商社から混入なしの証明書をとっていたといいますが、自社で原料の検査をしていませんでした。

 また米国での遺伝子組み換えジャガイモの作付面積は約3%、生産量では全体の1%程度です。またジャガイモは地下茎に栄養分が蓄積されたものであり、種のトウモロコシなどのように交雑により遺伝子組み換えが拡散して、知らず知らずのうちに混入する事はありません。どうして混じったのでしょうか。輸出元も、製品になってしまえば、判らないと高を括っていた?

 昨年の11月の、人間が食べていけない組換えトウモロコシのスターリンクが、今回と同様に混入していたという事件を覚えていますか。この件は、①米国政府が輸出前に検査する②同じサンプルを米国政府は日本に送り、日本政府がクロスチェックして、混入が無いことを確かめることで日米政府は決着をつけました。そうしたら米国の検査ではシロ、日本ではクロと結果が違う事態が頻発しました。米国はキチンと検査していたのでしょうか。米国は、違うサンプルを送ったと弁明、一度や二度ならともかく・・、米国は官も民も、日本を小馬鹿にしているのでしょうか。?

 さて、このスターリンクの件を受けて農水省は、「組み換え体利用飼料等に関する懇談会」を設けました。その懇談会が、この3月に中間報告をまとめました。

驚くべきことに、日本の安全審査を通っていない未承認のものも、一定の量の混入を輸入飼料で許容するという内容でした。つまり昨年、7000万ドルをかけて回収されたスターリンクは、少しずつ日本向けに混ぜて売っても良い、日本は飼料トウモロコシの95%を米国に頼っているから「安定供給に配慮して」日本が買うというお墨付きです。

 日本の牛さん、豚さん、ニワトリさんが食べてよいのなら、日本の人間が食べてどこが悪いのか。米国は、いずれこう言い出すのではないでしょうか。厚生労働省も、カルビーもブルボンもハウス食品も「米国で安全性が確認され、承認されているもので、人体への影響はない」と言っています。どうして拒否できるでしょう。日本で安全審査を通っていない未承認の、日本政府が安全性を確認していない遺伝子組替え食品、納豆用小粒大豆(日本人しか食べない)とかが、日常的に食卓に上がるようになる日はそう遠くない?!


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