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健康を害する「健康食品」 1999年 [サプリメント・健康食品]

1999年2月8日小針店で印刷・配布した「畑の便り№990208」の加筆再録

 健康によい、○○病に効くといったイメージが付いている食品、一般には「健康食品」といわれる食品は昔からありますが、1980年代から急成長し、98年の推定市場規模は8000億円。今やクロレラ、オリゴ糖、β-カロチンやDHA、サイリウム(オオバコ)入りなどが出回っています。ところが、中には効能がないどころか、かえって健康を害する食品もあります。

 たとえばクロレラは「アトビー性皮膚炎に効く」「健康状態を改善する」などの宣伝文句で売られている人気商品ですが、下痢、湿疹、吐き気などの苦情が多く、1ケ月以土の人院をともなった危害情報もありました。

ほとんどの健康食品の有効性はチェクなし

 80年代に入り、高齢化社会が現実実を帯び、ガン、糖尿病、心臓病など生活習慣に原因がある病がふえ、予防のため食生活を改善したり、健康食品を使う人が増えてきました。そこで、文部省が、食品に関する研究班をつくり、そこで生理調整系に働いて病気を末然に防ぐ機能を高める「設計」、健康を高める機能をもつ成分を加えたりする食品、「機能性食品」という言葉が生み出されました。医薬品との境目がはっきりしない薬もどきの食品が、89年に公に認知されたのです。

 ただ健康を高める成分も「摂りすぎると、かえって害になることもある。カプセルや錠剤にすると摂りすぎる恐れがあるので、あくまで食品そのものといった形状を保っています」(機能性食品の第一人者、荒井・東京農大教授)

 厚生省は健康保険の赤字解消のため、この「薬もどき」に飛び付きました。91年に栄養改善法を改正し、企業が、その効果の科学的データなどを添えて申請し、国が公式に認定した機能性食品を特定保健用食品として保健効果の表示を認めたのです。(現在、約110件)

 また、専門家が危険性を危惧した錠剤やカプセル状の物も、厚生省の措導する基準で、厚生省の外郭団体=天下り先の(財)日本健康・栄養食品協会が「健康食品」と認定することにしました。(約1200商品)

 自主申請制のため、これら許可商品は市販の健康食品のわずか15%ほどと見られ、ほとんどの商品では有効性がチエクされていません。

安全性が軽視されている

 健康食品でまず、危惧されるのは「摂りすぎると、かえって害になることもある。」安全と思われているビタミン類でも、ビタミンA(βーカロチンはこの原料物質)やDを妊婦が摂り過ぎると異常出産。普通人でもピタミンAは皮膚障害、頭痛・脱毛・耳鳴り・肝障害・吐き気など、ビタミンDでは脳・腎・心臓に障害、ビタミンEは血栓を出来やすくし糖尿病を悪化させる、ピタミンCも下痢や吐き気などが起きる。などなど過剰摂取の害が知られています。

 健康食品では、国が審査する特定保健用食品でさえも、この点、健康を高める機能をもつ成分が、どね位の摂取量が適当で、過剰摂取でどのような害がおきるのか、科学的に調べていません。むしろ厚生省は、専門家が過剰摂取を危惧する錠剤やカプセル状の物も、厚生省が関与して「健康食品」と認定しています。

 また表示される保健効果と矛盾しない限り、脂肪分や塩分、糖分などの含有量も問題にされません。これらが、結果的に過剰に食べることも考慮されていません。食べる側も、例えば、みのもんたの番組で取り上げると、それを朝昼晩と大量に食べるなど、生活全体・食生活を見なおさず、ある食品・商品を消費することで解決しようとする姿勢があり過剰摂取になりやすい事も間題です。

 また、ピタミンCで、発ガン防止作用のデー夕と逆にガン促進データもあるように、成分の効能・有用性についてもまだ明確でないことが多いのです。特定保健用食品でも、その審査は医薬品に比べて段違いに甘く、本当に保健効果があるか疑間がもたれています。その上、98年には提出する科学的データの削滅など申請手続きが緩和されました。

ふだんから良質な食生活を

例えばビタミンは、あまり精製されてない食物から摂るのが基本です。これなら摂り過ぎも栄養バランスの崩れもあまり心配いりません。添加、加工された食品ではなく、ふだんから良質な食事で、健康を高める機能をもつ成分は摂取しましょう。また、①すべての健康食品に特定保健用食品制度は適用し②認定判断に用いられる科学データの基準を高めること③含まれる脂肪分、塩分、糖分などの含有量を制限することが求められます。

1999年2月8日小針店で印刷・配布した「畑の便り№990208」の加筆再録


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