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違法な背骨つき肉が来たわけ 米国報告書 2006-07b [牛‐肉、乳、飼育]

畑の便り  №06-0 2006年2月日小針店で印刷・配布の再録です。



3月3日に、米国農務省の
「日本向け牛肉輸出証明プログラム
に関する調査結果・対策報告書」
の日本語訳(仮訳)が公表
  全体版PDF早速に、誤訳、の指摘が 


wattanaさん。 笹山登生の掲 示 板:[3581]http://www.sasayama.or.jp/saboard/b_board.cgi


●1月20日に成田空港で確認されたせき柱つきの子牛肉は、Hotel Rack(7ribs)1箱とTrimmed Loin(4x4)2箱の合計3箱です。


●この3箱、そして同類に分類されるアイテムの日本語訳(仮訳)を見ると次のようになっています。


①Hotel Rack(7ribs)>>ホテルラック(7片)


②Hotel Rack Chop-Ready(7ribs)>>ホテルラックチョップ-準備済み(7片)


③Trimmed Loin Boneless(1x1)>>トリムドロイン骨無し


④Trimmed Loin(4x4)>>トリムドロイン


●トリムドロイン(整形ロイン)の日本語訳はいいとして、ホテルラックの日本語訳は、ちょっといただけません。以前にご紹介した米国農務省認定のIMPS Series300 for Fresh Veal and Calfをぜひ参照して、当該規格を正しく日本語訳して欲しいと思います。


★IMPS Series300を見ると、Hotel Rackには7ribs=肋骨7本付き(5番目から11番目の肋骨)と6ribs=肋骨6本付き(6番目~11番目)の2規格があります。したがい、7ribsは「ホテルラック(肋骨7本付き)」、または「ホテルラック(7本リブ)」と訳すべきです。7片と訳すと、1箱の中にHotel Rack(7ribs)が7片入っていたと勘違いします。


★Chop-Readyを「準備済み」と訳したのには驚きました!!子牛肉の部位についての知識の無い方が訳されたのでしょうか?
①chopとは厚切り肉のことで、Hotel Rackは、rib(肋骨)ribの間でChop(切る)して、骨付き厚切り肉になります。フランス料理店などの「骨付き子牛肉の・・・」といった料理に使われます。
②IMPS Series300の14ページにChop-Readyについての説明があります。簡単に訳すと「チョップレディとは、背骨が除去され、ナイフを使って簡単にチョップに加工ができる規格(カット)のこと」となります。 ※(背骨が付いているとナイフで簡単に切ることができません)
③したがい、Chop-Readyを日本語に訳したいなら「チョップ(厚切り肉)用」となると思います。


●せき柱が付いていることが確認された子牛肉の規格です。今回の問題を検証するに当たり最も重要な単語の一つにもかかわらず、日本語訳がいいかげんでは困ります。それとも、(仮訳)とした理由は、日本語訳に自信が無かったからなのでしょうか・・・


以上は笹山登生の掲 示 板:[3581]http://www.sasayama.or.jp/saboard/b_board.cgi



虹屋としてはcarcassesの訳は枝肉??ここでの用語を次のように整理して使ってみます。
○ 丸枝肉 セパレートする前の家畜を屠殺(とさつ)後、放血して皮をはぎ、頭部・内臓と四肢の先端を取り除いた骨付きの肉 米農務省の規格では”Carcass”
○ 半枝肉 脊骨に添って左右に二分したもの、半丸。大辞林 第二版 (三省堂)によれば普通は枝肉はこれを指します。米農務省の規格では”Side Carcass”
○ 屠体 内臓肉をとられていない屠殺(とさつ)され頭部、皮がはがれた状態、  新英和中辞典 第6版 (研究社)によればcarcass の第一義は(獣の)死体; (特に内臓をとった食用獣の)胴体


米農務省本文でもこれらが混同されていることと農水省版では枝肉と訳してあるので混乱・誤訳・不適切な和訳が起きているのではないでしょうか。


農水P25
AMS QSA プログラムの下で、ゴールデン社が認証済みの枝肉から内臓を輸出しようとした場合、全生産過程を通じて、適切な方法によって製品を識別(原料及び/又は完成製品)し、識別された全製品の記録並びにそれらの加工履歴に関する記録を保存するための文書化された手続きが必要とされる。


本文P22
Under the AMS QSA Program, if Golden had intended toexport offal from the certified carcasses, they would have been required to havedocumented procedures to identify product (raw materials and/or finished product) bysuitable means throughout production and to maintain records of all products identifiedand records of all changes of identities.

枝肉、丸であれ半であれ内臓肉はとれません。 offal from the certified carcasses の carcasses も 丸枝肉というIMPS Series300の定義どおり(複数形)ならoffal内臓肉はとれません。上記の場合は、屠体が適切ではないでしょうか。


農水P10
 またはP9 2005 年2 月18 日: 日本大使館はペン次官に日本政府がUSDA に対して、輸入米国産牛肉が20ヶ月齢以下であることを保証するA40の生理学的成熟度手法の論拠を補強するため、20ヶ月齢以上の牛に関して更に200頭の枝肉について試験結果を提供し
本文P10
February 18, 2005: Japanese Embassy officials informed Under Secretary Penn that theGovernment of Japan would like USDA to provide test results for another 200 carcasses for cattle older than 20 MOA in order to strengthen their defense of A40 physiologicalmaturity to serve to ensure that the age of imported U.S. beef is 20 MOA or younger,

A40の判定が背骨の断面を見て成熟度、色合いから判定するので、200 carcasses は 丸枝肉か半枝肉の複数形


問題なのは本文P18
On December 15, 2005, Elvira Cunha, Quality Assurance Manager, formally requested the services of AMS in an effort to obtain EV certification for slaughter only, of veal carcasses for Golden Veal Corporation and fabrication and distribution of veal products by Atlantic Veal and Lamb Incorporated.


農水の訳では
2005 年12 月15 日、品質管理責任者であるエルヴィラ・クーニャはゴールデン社のための子牛枝肉を得るためのとさつのみのEV 認定、そしてアトランティック社の子牛肉製品の解体及び流通に関するEV 認定を取得することについてAMS に正式に要請した。

 veal carcassesを農水のように子牛の枝肉と訳すと、アトランティック社、日本シ社は資格・許可も取らずに、違法に内臓肉などを輸出入しようとしていたことになります。 これを屠体と訳せば、全く意味合いが違ってきませんか?? どちらが妥当なのか?


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