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信濃スイート 芯カビ病被害を摘果でコントロール(2013) [農薬を減らす工夫]

結実した果実の一部を間引いて、良品質で収量を多くする摘果作業。信濃スイートでは、この摘果が農薬を使わずに芯カビ病(リンゴ心かび病)を予防する重要な作業です。

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芯カビ病は、果実の芯に、種のある子室にカビが発生する病気です。場合によっては果肉部に進行し腐敗する心腐れを起こすこともあります。リンゴに生えるカビ(糸状)菌なので人間には無害ですから、カビの生えた芯を取って除去してしまえば、OKです。しかし見栄えが悪いし、果肉まで進行すると食べたくなくなりクレームの元になります。スターキングやデリシャス、北斗などの品種に発生しやすいようです。シナノスイートも発生しやすい。

原因となる菌は十数属、多種多様で薬剤で十分な防除効果を得るには有効域・スペクトラムの広い殺菌剤や多種の薬剤を使うことになります。この病原菌は開花期~落花10日後頃に花弁や雌しべの基部などに定着します。そこから、がくが筒状になっているがく筒が開孔するリンゴの品種では、開口部から病原菌が種のできる子室に侵入します。

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それで、開花後に小さな実を間引く最初の実スグリ、予備摘果の際に選り分けます。満開後3~4週間頃が適機です。これでも病果が残ります。信濃スイートは、一つの果実の葉が60枚程度が一番、味や重さが良品質の果実が取れます。満開60日位で、仕上げ摘果で、そのように実の数を調整するのですが、予め病果を見込んでおきます。
樹勢が強いと発生が多くなる傾向があるそうですが、リンゴの木、1本1本に問いかけ、罹病果の数を予測し最終的に一つの果実の葉が60枚程度になるように仕上げ摘果で残す数を決めます。

収穫前の着色や地色の黄化が著しく早い早期成熟果には芯カビ病発生が多いのです。それで収穫前1ヶ月頃の早期成熟果が目立ち始めた頃から収穫前2週間頃までに、早期成熟果を樹上で摘除する見直し摘果(樹上選果)を収穫前に2、3回行います。

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外観からは無病果と芯カビ病罹病果の見分けがつきにくいものですが、果皮と果肉の被害状況を幾つも見ている内に、どうにかして「他と違う」という情報を知覚できるようになる、これは怪しい?と感じるそうです。

このようにして収穫された信濃スイートが今週入荷します。
 
2013年10月、小針店で配布「畑のたより」再録 


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