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種無しぶどうの余りに不自然な作り方(上) [有機農業/食物にする生命との付き合い方]

種の無い果物、さわし柿、バナナ、種無しぶどうの作り方
畑の便り  №05-42 2005年10月11日小針店で印刷・配布したものに加筆 八珍など種無し柿の時季です。種無し柿の正式名は平核無(ヒラタネナシ)。原木は新潟県新潟市古田にあり、樹齢約320年、高さ16m、幹周り203cmの巨木で県指定天然記念物。明治初期、庄内藩家老職の酒井調良が苗木を庄内地方に持ち帰り産地化したものが「庄内柿」であり、昭和初期になって佐渡郡羽茂村農会技術員が庄内柿の穂木を佐渡島に持ち帰り産地化したものが「おけさ柿」です。様々な地域で栽培されています。
 他にもバナナ、パイナップル、ブドウ、西瓜などで種無しがあります。同じ種無しでも、種がなくなる仕組みが違います。

何故、バナナに種がないのか? 3倍体
単為結実 柿やみかん
 
以下は(下) 
ホルモン剤による処理 種無しブドウ
余りにも不自然、味(栄養)が劣る
 
何故、バナナに種がないのか? 3倍体
 
 バナナは種で増える増え方と、親株の根元から新しい芽を出してそれが育つ増え方の、2種類の増え方をする植物です。だから、野生のバナナにはもともと種があります。ウン千年前に種が出来ない品種が出現。それを株分けして増やしました。今の
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普段食べているバナナに種がないのは、その品種がご先祖だからです。これは3倍体化による種無しです。雌雄には同じ数だけの染色体があります。子、種には雌親から染色体1組と、雄親からの1組がきています。それで2倍体といいます。これが3組分あるのが3倍体です。相同染色体が奇数のため花粉などができる際の染色体の減数分裂がうまく出来ず、花粉や卵細胞が作れないために種が出来ません。ほとんどの食用種無しバナナは、これになります。自然の中では3倍体は種、子ができませんから1代限りです。人間が株分けして増やしたのです。その中で、突然変異で多少変わった品種ができてきます。それを、また人間が栽培して広める。そうした繰り返しで現在の栽培バナナの種類は出来上がっています。種無し西瓜は、芽のうちにコルヒチンという薬品で処理します。コルヒチン処理された花の卵細胞は、通常の倍の染色体を持っています。その花に普通のスイカの花を受粉させます。2+1=3で3倍体で種無しスイカができます。
 
 
 
単為結実 柿やみかん
 
 これに対して柿や温州みかんは、単為結実性(タンイケツジツセイ)によるものです。温州みかんは花粉の発達が悪いため受粉はするが受精できずに種が出来ません。種無し柿は、受粉がしなくても実がなります。受精しても、途中で種(胚)の発育が停止します。よく種のような平たい板状の物が実の中にありますね。甘柿の「富有」は単為結実力は弱く種子形成力が強いので、受粉することで実が着き、また受粉すれば種子が入りやすい性質があります。
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 パイナップルは花粉は正常でも自分の花粉では受粉できない自家不和合性のために種が出来ません。私たちが食べるパイナップルの実。実は花托(花床)という花の付け根の花の床の部分。パインは花が100個ほども集まった花房で開花します。花は株の中心から出る頭状について、紫色の小花をらせん状に付けます。花は自家不和合性のために種を作らずにしぼんでしまい、花托が肥大します。それがあの果面に並んでいる亀甲紋はそのひとつひとつです。それが結合して食べるパインの実になるのです。茎などのできる芽を人間が挿し木して増やしています。
 
(下)に続く 

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