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医食同源と、健康食品・サプリメント、特定保健用食品(トクホ) 2005年 [サプリメント・健康食品]

2005年2月15日小針店で印刷・配布した「畑の便り№05-08」の加筆再録

 薬への不信、健康への不安を背景に”健康食品”が数多く売られています。そして多くのトラブルが発生しています。販売前に、事前に規制する特定保健用食品(特保・トクホ)制度が2001年に作られました。有効性の科学的根拠の基準は、どのようなものでしょうか。安全で効果があるものを提供するための制度になっているかを調べてみます。

健康食品のトラブルと特定保健用食品制度

 薬への不信、健康への不安を背景に”健康食品”が数多く売られています。健康食品をめぐるトラブルは、大きく二つあります。

 一つは、実は医薬品成分を入れてある無許可医薬品。東京都は1月18日、「ハスの葉加工食品」として販売されていた健康食品「貴麗菜(コーリー)」から、医薬品成分である「シブトラミン」と「甲状腺末」を検出と発表。シブトラミンと甲状腺末は、過去に「やせ薬」として乱用されたこともある医薬品で、服用を続けると、狭心症や心不全、肝機能障害などの重大な健康被害の恐れがあります。この健康食品が原因と疑われる甲状腺機能高進症の患者が長野県内で確認されています。

tokuho_images.jpg もう一つは、体や健康への効き目でうそをつく表示の問題です。「体内の脂肪をどんどん燃焼させる」とか「今世紀最高と言われる効き目と安全性」とか「最強精力サプリメント」といった、事実とは異なる表現や、薬効や効能をうたう法的に問題のある表示です。東京都の「いわゆる健康食品の試買調査」では、半数以上の商品に問題がありました。

 体や健康への効能がセールスポイントですから、効果を持たせるために医薬品を混ぜてしまったり、逆に、手八丁口八丁で騙すわけです。後の方の問題は、法律では、公正取引委員会が所管する景品表示法の優良誤認・不実証広告で規制されています。健康食品で見れば、謳われている表示の根拠を委員会が販売業者に問い合わせ期限内に根拠を示せなかったり、根拠が薄弱などの場合に、事後的に、大量に販売されてから販売禁止などの措置が行われます。事前にうそ表示から消費者を守るものにはなっていません。

医食同源

  食品の特定成分に、健康に特定の効果があることは否定できません。医薬品の原料は、大半は食品や植物、動物の成分に由来するもの、それに手を加え多少化学構造を変えたものです。食品の特定成分には薬効があることは否定できません。医食同源といいますが遡れば、薬石、食養生、食べ物には明確な境目はありませんでした。生姜はごく普通に食品として食べられていますが、風邪気味の時には生姜湯を作って養生したり、乾燥したものは生薬ショウキョウ。近代になってから、日本では明治期に、偽薬や薬害がひどく医薬品を取り締まる法令がつくられ、ついで、国が認めた医薬品以外には薬効、有効性(効能効果)を謳っては、表示してはいけなくなります。しかし、健康に特定の効果をもたらす、全ての食品、植物、動物の特定成分が医薬品に網羅されているわけではありません。それで、食品と医薬の間のグレーゾーンの品が常に存在します。それが現在では、”健康食品”とかサプリメントと呼ばれています。

景品表示法の優良誤認は事後的にしか機能しません。それで、販売前に、事前に規制する特定保健用食品(特保・トクホ)制度が2001年に作られました。一定の有効性の科学的根拠があるものを国が認定し、マークをつけ「食後の血中の中性脂肪を抑える食品」「血糖値が気になる方に適する食品」といった効能表示(ヘルス・クレーム)が許されています。有効性の科学的根拠の基準は上の表ですが、厚生労働省も認めているように一般の消費者にはわかり難い。安全で効果があるものを提供するための制度になっているかを調べてみます。

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2005年2月15日小針店で印刷・配布した「畑の便り№05-08」の加筆再録


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