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健康食品の見分け方②健康食品にはノーベル賞候補がいっぱい!活性水素、波動 2002年 [サプリメント・健康食品]

2002年11月15日小針店で印刷・配布した「畑の便り№02‐46」の加筆再録

 日本人が二人続けてノーベル賞を貰いました。物理学の方は、質量が無いとされてきた素粒子に質量を検出した功績で、素人にもわかりやすい。化学の方は、田中さんのキャラクターはいっぱい紙面に載っていますが、業績のソフトレーザー脱離法は?どうもタンパク質の構成成分を解析するために、イオン化した気体にして質量分析器にかければよい。その気化する方法として紫外線レーザーを浴びせるやり方を発見したということらしいですが、よく判りません。

 さて、健康食品の世界には、このような良く判らんが、大層な理論、理屈をつけて効能を謳っているものが沢山あります。健康食品にはそれが本当なら、ノーベル賞という発見が多数あります。

例えば、活性水素

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活性水素はガン、アトピー、糖尿病などあらゆる病気を治す奇跡の水。日田天領水とか、還元電解水の浄水器などが売られています。活性水素が、体内の活性酸素を消去するのだそうです。

 従来の化学でも、活性水素、つまり反応性が極めて高いラジカルな水素の存在は知られています。ただし、反応性が強いので活性水素の存在時間は、マイクロ秒、100万分の1秒単位です。ですから天領水に豊富に含まれている活性水素が、ペットボトルに詰められ、トラックで運ばれ、貴方が飲むまでの長時間存在してるなら、また浄水器の「活性水素は生成から0.7秒は存在するので、この浄水器をつかって、出来立てを飲みましょう」という広告の10分の1秒単位でも安定し存在するとしたら、化学の知識体系は根底から覆されてしまいます。小柴氏のニュートリノ素粒子の質量発見に劣らないノーベル賞ものの発見です。

 発見者は白畑實隆教授(九州大学大学院遺伝子工学・農学博士)で、林秀光という医師がもっぱら啓蒙普及に努めています。ご両人、おもいっきりテレビとかの番組に出演したり『ガンは水素豊富水で克服できる』といった本を出版しています。

04-46b.jpg しかし、化学の世界では、全く話題にされていません。なぜなら学会とか専門誌に発表されていないからです。白畑教授の研究結果は、論文にまとめられて入手可能ですが、実験条件が明記されていなくて、再現・追試が出来ません。白畑教授の処で、たまたま起こったことなのか、普遍性を持つことなのか確認しようがないのです。相手にされなくて当り前です。

 田中さんのソフトレーザー脱離法は、学会で発表され論文に実験条件が明記され、色々な科学者が利用、発展させたわけです。白畑教授は、なぜそうしないのでしょうか?

波動も凄いぞ

「波動」効果をセールスポイントにした商品が売られています。それでは①波動というものがあり②波動は、転写、調整できる③良い波動を転写・調整した物を食べることで健康になれるとしています。波動転写の用具(約20万円位)とか波動水とかです。

04-46imgIllust.gif 波動とは何か、量子力学などを引用し様々な解説がされています。その中に、生体に固有なもの、生体のもつエネルギーの一種としている解説があります。そうですと、波動水や波動塩は存在しません。水や塩は、生体を構成する重要な物質ですが、生きてはいません。お肉や魚も生体に由来しますが、死んでいる物質です。波動が生体に固有のものなら、これらはもちえません。解説か商品、どちらかが嘘です。

 波動は、転写できるとされています。波動転写には①サンプルから波動を検出・測定する部品②そのデータを元に、転写したい食品等に働きかける部品の2腫の部品が最低必要です。波動の検出や測定は、測定者の精神状態によって大きく影響されるので、特別な訓練を経た熟練者がしなければならないとされています。そうだとすれば、波動転写用具の波動を検出・測定する部品が正常に作動するためには、特別な訓練をへた熟練者が操作する必要があります。

しかし、どの転写の用具の取扱を見てもそんなことは書かれていません。誰でも、家庭で、手軽にできるとあります。通販で誰にでも売られています。これもまた、測定器か転写器の説明のどちらかが嘘ですが、大抵、同じ人、同じメーカーが両方とも主張しているのです。波動は実在するのでしょうか?

また健康に良い事を二重盲検法で証明したデータを見たことがありません。波動転写で何が変るのか、キチンと説明されてません。

 このように、ノーベル賞級の新発見で、しかも第三者が検証できない実験による効果の仕組みの説明、内部矛盾がある説明が多くの健康食品についています。こういう説明を「相手を煙に巻く」というのではないでしょうか。

2002年11月15日小針店で印刷・配布した「畑の便り№02‐46」の加筆再録


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