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サプリの不当表示の手口(不実証広告規制)(下) 2003年 [サプリメント・健康食品]

2003年11月11日小針店で印刷・配布した「畑の便り№03‐46」の加筆再録

 毎日のように、痩身や病気治療をうたう広告チラシが、通販や折込で届きます。大方は眉唾な内容ですが、こうしたチラシ、広告の規制はどうなっているのでしょうか。その辺を探ると、騙す方より騙される方が悪いという法のシステムが見えてきました。      公正取引委員会⇒http://www.jftc.go.jp/

騙す方より、騙される方が悪いサプリの不当表示(不実証広告規制)(上) 2003年 

騙しの手口

騙されないように、まず騙しの手口を見てみましょう。先ほどのダイエット食品のチラシは「3カ月で体重が19キロ減った」などという体験談(使用前、使用後の写真つき)、タレントのガッツ石松さんが「2週間でマイナス5キロ」「なぜ現役ボクサー時代になかったのよ」と大きな写真で登場しテレビ番組で紹介されたとあり、「世界健康食品賞 金賞受賞」とか財団法人日本食品分析センターの安全性認可を受けたと安全性をアッピールしていました。

 公取委などの調査では、ガッツ石松さんは写真撮影の前に一口飲んだだけで、チラシの内容も確認していないし、テレビ番組で紹介されたこともありません。「食品賞」は存在せず、食品分析センターの安全性認可も実際は受けていませんでした。

 従業員が体験談を創作し、写真と名前は別の商品でのアンケート回答者から得た写真から適した人を選んで30万円の謝礼を払って載せていました。

 この騙しの手口、公取委が9月に公表した「テレビショッピング番組の表示に関する実態調査について」という報告書に書かれている「消費者の誤解を招く」手口そのままです。体験談では架空のものだけでなく、「様々な体験談がある中で、効果、性能があったとの体験談のみを強調したり、事業者の都合のよい部分だけを抜粋して表示」という手口もあります。またテレビショッピングでは、放送という性質上「見やすい色、コントラストで、可能な限り大きくし、可能な限り十分な時間を確保」ぜずに都合の悪い表示が瞬時に消えてしまうような手口もあります。 

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体験談やモニターの意見の使用は実質的禁止

 今回の「不実証広告規制」で変わるのは、体験談やモニターの意見などを使うことが実質的禁止が指導されました。体験談やタレントが「2週間でマイナス5キロ」といった広告表現が使われていたら、それだけで詐欺商品と疑ってかかるべきです。

 体験談が「合理的な根拠」とはならない、つまり不当表示となる場合を委員会は三つ例示しています。①従業員又はその家族等、販売する商品・サービスに利害関係がある人の体験談②積極的に体験談を送付してくる利用者のみを対象とする調査、そのような人は、「一般に、商品・サービスの効果、性能に著しく心理的な感銘を受けていることが予想され、その意見は主観的なものとなりがち」「体験談を送付しなかった利用者の意見を調査することなく、一部の利用者から寄せられた体験談のみ」③一部の地域において少数のモニターを選定して行った統計調査。

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 不当表示にならないのは、「無作為抽出法で相当数の、少なくとも、学問上又は表示された効果、性能に関連する専門分野において、客観的な実証に耐える程度の数のサンプルを選定し、作為が生じないように考慮して行うなど、統計的に客観性が十分に確保されている」調査での体験談です。このような調査を行うためには、億単位の経費がかかりますから体験談などの掲載は事実上禁止です。  

「○△医学博士の試験で実証済み」は信用できるか

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  活性水素に登場する九州大学の白畑教授は、活性水素に関する見解を学術論文で、他の科学者に公表した事がありません。マイナスイオンなど「特定の専門家等による特異な見解」には客観的な実験、試験データを規制では求めています。

 また実際の例では、そのような「専門家の評価で、食べるだけで1か月に5kgの減量効果が期待できると表示のダイエット食品について、その専門家の見解は、主成分の含有量、一般的な摂取方法及び適度の運動によって脂肪燃焼を促進する効果が期待できることを確認したものにすぎず、1か月に5kgの減量効果の表示の裏付けとなる合理的な根拠とは認められない。」といった、チラシの内容も確認していない、名義貸しがあります。

TV番組は規制外
 

  テレビのワイドショーなどで、よく体によい△△といった番組があります。こういった番組は、特定商品の宣伝ではないので「不実証広告」で規制されません。番組で取り上げた効能に裏付けとなる合理的な根拠がなくて、騙すことになっても処罰がないのです。ジャーナリズムですから、科学的学問的に確定していなくても、伝える価値があるのかも知れません。

 しかしよく使われる「視聴者の方に試して、その結果は?」というやり方は、効果を裏付ける「合理的な根拠」とはならないから事実上禁止された体験談やモニターに当たります。この手の番組の人気司会者、みのもんた氏は7年前、そして今年7月と2回も談合で公正取引委員会に摘発された会社の役員、社長です。彼は、この不況下に売上を倍増させましたが、談合で水道機器の価格を吊り上げて自治体に売り、私たちの水道料から不当利益を掠め取っていたのです。彼は番組から降ろされていません。これが、TV番組の公正・客観性の程度です。 

 

2003年11月11日小針店で印刷・配布した「畑の便り№03‐46」の加筆再録

 

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